中国政府・教育部国家漢弁主催
「中国語検定試験の海外受託機関の北京国際会議」への参加(報告)
~日本を代表して北京事務所張晶磊処長ほか、48ヶ国109の受託機関が出席~

平成21年8月19日
日本BCT・YCT事務局
セリングビジョン株式会社

 8月12日~14日に、北京西苑飯店において、中国政府(教育部・国家漢弁)主催で、海外諸国における中国語検定(BCT、HSK、YCT)を実施する109の受託機関が集合しました。セリングビジョンの北京事務所張晶磊処長も日本のBCT、YCT協力機関の代表として会議に招待されました。今回、当社は日本における唯一の検定協力機関として、参加いたしました。その内容をまとめてご報告いたします。

・今回の国際会議の議題:
  • 中国政府公認のHSK、YCTの内容改編
  • 中国語検定試験をサポートする「漢語考試サービス用HP」の利用について
  • 受験料の設定及びその徴収について(奨励政策と市場原理の関連性)
  • ・海外の中国語検定試験:
  • 現在、48ヶ国で、109の中国語検定試験機関が認定。
  • 2005年~2008年までは、海外で31万人が中国語関係の試験を受験(HSK、BCT、YCT)。
  • 現在、国家漢弁が海外で行っている中国語公認試験はHSK、BCT、YCTの三つであり、今後もこの三つの検定制度に限定して、海外で推奨する。
  • ・海外における試験の見直し、改善点:
  • 国家漢弁は今年の1月から8月現在までに、HSKとYCTについて、バージョン改編を行っております。今回の改編の目的は、海外における中国語教育の進展と受験者の規模拡大と比べて、中国語試験のサービス提供が遅れているということです。特に試験自身の難易度を調整し、易しさに重点をおいて、全般的に見直ししました。       
  • 具体的な改善点:従来のHSKとYCTを再開発して、ニューバージョンという形で、2010年に新試験を実施します。HSKについては、従来の1級~11級までのランクを1級~6級まで内容を統合し、語彙の数を8000語から5000語に減らします。ニューHSKの1級と2級は、初級ランクです。3級と4級は中級ランクに属します。5級と6級は最高級ランクに属します。単語の数について、会議で公表したデータは次の通りです。

    ニューHSKの試験等級語彙の数(単語数)
    1級150語(初級)
    2級300語(初級)
    3級600語(中級)
    4級1200語(中級)
    5級2500語(上級)
    6級5000語(上級)


  •  YCTについての改編は、現在の3級(3ランク)を4級(4ランク)に変えました。8月現在までは、ニューYCT1級とニューYCT2級の改編が終わりました。
     3級と4級については、今年の10月ごろに完成する予定だそうです。各国の受託機関は、2009年末までのYCT試験は、今までの通りで行います。2010年からは、ニューYCTで世界各国でYCT試験が行われる運びです。YCT受験要綱および語彙表、広報資料などの出版は今年の10月に行う予定です。
     YCTの改編の重点は、ヒアリングを重視し、読解の比率および難易度を下げることにあります。
    検定試験の管理と受験者の各国の状況:

    〇会議の冒頭で、国家漢弁を代表して許琳主任が基調講演をされました。許主任の演説内容は下記の通りです。

     今現在、国家漢弁は世界の84ヶ国で、270校の孔子学院と75ヶ所の孔子塾(孔子教室)を開設しました。また、世界の48ヶ国で、109の中国語の検定試験協力機関を認定しました。世界各国で、孔子学院及び中国語検定協力機関の国家漢弁への申請が増えつつあります。この状況下では、中国語試験は、中国語教育の重要な出口となっています。ですから、出口の幅を広くすることで、中国語学習者の勉強の継続及び勉強意欲の促進を計りたいと考えております。従って、中国語試験の難易度を重点に、今年からHSK、YCTについて再研究開発を行っております。改編、改善を通じて、権威性、高水準且つ難度を減らした形の中国語試験に仕上げたいと努力しております。これで、海外における中国語教育、孔子学院の中国語教育のニーズを検定試験の面から支援します。最新の中国語学習の動きとしては、各国で、小中学校、高校で、中国語レッスンを開設することが急増しています。特に過去の、華僑の中国語学習から外国人の中国語学習への転換が顕著に見られています。例えば、米国では、3年前に200校の小中学校が中国語授業を開設しました(1クラス50名から100名程度の生徒)。2008年では、2000校の小中学校、高校が中国語授業を開設していますし、約16万人の学生が中国語を勉強しています。アメリカの民間調査機関の調査によりますと、2015年までは、小中学校、高校の中国語学習者は、75万人に達するという見込みです。ですから、検定試験で外国人の中国語学習意欲を促すため、今後とも試験の改革を行っていきたいと考えております。
     「ビジネス中国語試験」(BCT)についても世界各国の受託機関の意見を聞きながら、改善してまいります。そして、インターネットを利用して、試験実務の電子化を進めていきますし、受験の動機付けのメカニズムと市場原理の関連性から、HSK、BCT、YCTを吸引力、影響力のある中国語検定試験に築きあげたいと願っております。今後も国家漢弁は、HSK、BCT、YCT三つの検定試験に限定し、国内外での普及を強化していきたいと思っております。

    〇会議では、国家漢弁・試験処の張晋軍副処長が「ニューHSK、ニューYCTの改編」についての説明をされました。漢語国際社(国家漢弁の外郭団体)の謝欧航副社長は「中国語検定試験サービス用HPの利用」について、説明されまして国家漢弁・試験処の張恵君プロジェクト担当と程缅先生はそれぞれ「受託機関の申請資格」と「検定試験の奨励策」についての説明をされました。

    〇アジア太平洋諸国の分科会では、当社北京事務所張晶磊処長が、日本でのBCT、YCTの実施状況について、報告いたしました。また、BCTの難易度に関連して、ニューバージョンのBCTの研究開発を提案いたしました。

    〇大会の最後の日では、国家漢弁の胡志平副主任は、国家漢弁を代表して、総括及びまとめをされました。胡志平副主任の総括発表の主旨は下記の通りです。

     新試験(ニュー中国語試験)の再開発は、もっとも進んでいるヨーロッパの語学検定理論を参考に行っております。改編後の検定試験は、言語知識の伝授、応用能力の重視、言語任務の完成を重点的に試験を行う予定です。中国語検定試験によって、中国語の普及をサポートしていきたいと考えております。従って、改編後のニューHSK(1級と2級試験)とYCT(1級と2級試験)の内容は、中国語学習者を励ますことにあり、言語コミュニケーション能力を評価する試験を目指しております。中国語検定試験サービス用ホームページは、今後有力なシステムです。中国語試験の規範性と利便性を関連付けて、科学的に試験管理を行ないたいと思います。そのためには、できるだけ早い時期に、各国の試験協力機関にこのサービスシステムを使用してほしいと思っています。検定料の基準は、できるだけ国家漢弁の基準に沿って、行っていただきたいと思いますが、世界各国、各地域の経済発展の水準を考慮し個別基準の相談にも、もちろん応じていきたいと思っております。

    参考 会議関連写真:

    大会会場の写真

    国家漢弁許琳主任が演説をされている写真

    国家漢弁中国語試験総担当官胡志平先生の演説写真

    HSK、YCTの改編について説明されている国家漢弁試験処張晋軍副処長

    漢語国際公司謝欧航副社長が試験サポートシステムの利用について説明をされている写真

    司会は国家漢弁試験処邱寧処長

    当社北京張晶磊代表(左)と国家漢弁胡志平副主任との記念写真

    当社北京張晶磊代表と国家漢弁試験処程缅先生(左)との記念写真


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